万年筆などの筆記具でおなじみのPILOT(パイロット)が、結婚指輪などのジュエリーを作っていることはあまり知られていません。
かつてはパイロット、シチズン、セイコーのマリッジリングが多く出回っていた時代もありました。
現在でもパイロットジュエリーでは、素材やコンセプトなどによってPtau(ピトー)やL'or(ロル)などいくつかの結婚指輪ブランドを展開しています。
万年筆好きの方や、素材のスペックにこだわる男性にもおすすめです。
継ぎ目の無い鍛造製法
パイロットには万年筆のペン先を作るために培った、金属の高い加工技術があります。
その技術を活かして、新しい素材や他には無い製品を作り出しています。
自社工場で一貫して製造しているのも特徴です。
パイロットのマリッジリングは鍛造製法でつくられています。
棒状に伸ばした貴金属を丸く曲げて円にするのではなく、平らに伸ばした板をドーナツ状に打ち抜く製法です。
カットリングとも呼ばれる作り方で、継ぎ目がまったくないというメリットがあります。
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サイズ直しができない
鍛造によるマリッジリングはサイズ直し不可となっています。
サイズを変えるにはリングを切断しなくてはなりませんが、鍛造製法のリングは一度切断すると元には戻せません。
そのため、購入後にサイズを直したかったら新品との交換になります。
購入すると、5年間無償で交換できる「サイズ交換サービスカード」がもらえます。
5年以降、もしくは2回目以降は有料となります。
シンプルなデザイン
ドーナツ状に打ち出す製造方法なので、基本的にいわゆるストレートタイプのデザインになります。
シンプルでシャープなデザインは結婚指輪にぴったりで、男性にも人気です。
金属アレルギーの人にもおすすめ
プラチナとゴールドの合金や純プラチナなど、混ぜ物の金属を使っていないので金属アレルギーが出にくいという特徴があります。
だたし、希にプラチナやゴールドにアレルギー反応を示す人もいます。
ファーストピアスがゴールドだったという場合は、ゴールドアレルギーの可能性が少し高くなります。
心配な人は皮膚科でパッチテストをしましょう。
代表的なマリッジリングブランド
開発した素材やコンセプトごとに、数多くのブランド展開をしています。
その中でも人気のある代表的なブランドを紹介します。
L'or(ロル)
L'or(ロル)のエンゲージとマリッジの重ねづけ
1989年に販売開始されたオリジナルブランドで、マリッジリングだけでなくエンゲージのラインナップもあります。
パイロットジュエリーの中では比較的可愛らしいデザインとなっています。
フランス語で「高貴」という意味で、最高純度のプラチナ(Pt999)の素材を使っているのが特徴です。
柔らかい純プラチナを使っていながら、製法によりビッカース硬度Hv200を実現しています。
普通のハードプラチナがHv90~150程度と言われているので、それよりも純度が高いのに硬いんです。
この素材はUHP(ウルトラ・ハード・プラチナ)として特許も取得しています。
2007年には、高硬度で粘りのある純プラチナ(Pt999)新素材、FHP(フレキシブル・ハード・プラチナ)を発表し、L'orでエンゲージリングの販売を開始しました。
全国314店舗で取り扱いがあります。(2017年11月22日現在)
Ptau(ピトー)
Ptau(ピトー)の素材はプラチナとゴールドのハイブリッド
2003年に販売開始した、プラチナとゴールドの合金による結婚指輪のブランドです。
純金と純プラチナを1:1で合金にするという、他社にはない素材(特許取得)です。
Ptau(ピトー)という名前の由来は、Pt(プラチナ)とAu(ゴールド)をそのまま合わせたものです。
プラチナとゴールドは、固まる温度が違うため混ぜ合わせるだけでも高度な技術が必要です。
ビッカース硬度はHv300と、UHP(ウルトラ・ハード・プラチナ)のHv200よりも硬くなっています。
付け心地の良い内甲丸仕上げで、内側にはPtauを表す商標の「Pt・G1000」の刻印が入ります。
Ptauは2種類のラインナップ
Ptauは、デザインやリング幅、ダイヤのセッティングなどを選ぶセミオーダー方式です。
選べるデザインや幅の違う2タイプのPtauがあり、取扱店舗もそれぞれ違うので注意が必要です。
6mm、5mm、4mm、3mm、2mmのリング幅が選べるタイプ。
指輪の種類は全部で2,080通り。
リング幅によってダイヤの大きさが変わります。
頑丈な鍛造仕上げのため2mmのラインが選べるのも魅力です。
ただし2mmだと幅が狭すぎて、内甲丸仕上げは施すことができません。
2mm幅のリングは内側に入れる誕生石のサイズも小さくなります。
全国107店舗で取り扱いがあります。(2017年11月22日現在)
2016年に生まれ変わった新モデルで、4mm、3.5mm、3mm、2.5mmのリング幅が選べます。
旧モデルよりも選べる幅の数は減りましたが、3.5mmや2.5mmを待っていた人も多いでしょう。
2.5mm幅のリングにも内甲丸仕上げが施されています。
ダイヤのセッティングやサイズが増えたため、選べる種類は全部で50,000通り以上になりました。
内側の誕生石も2石まで選べます。
全国69店舗で取り扱いがあります。(2017年11月22日現在)
PILOT BRIDAL(パイロットブライダル)
クラシカルな雰囲気が格好いいPILOT BRIDAL
2012年と比較的近年に販売開始された結婚指輪のオリジナルブランドです。
満を持してブランド名にパイロットを入れたことからも、力の入れようを感じます。
L'orと同じく素材にUHP(ウルトラ・ハード・プラチナ)を使用し、内甲丸仕上げが施されています。
エレガントなデザインや、クラシカルな雰囲気、槌目模様などトレンドを意識したデザインになっています。
取扱店舗はデパートの宝石サロンやセレクトショップなど全国に77店舗。(2017年11月22日現在)
その他のオリジナルブランド
イラストレーターの太田彩さんを起用した、魔法の靴がモチーフのマリッジリングブランド。リングの内側には靴の刻印が入ります。
I love youの頭文字。
Pt900のFHP(フレキシブル・ハード・プラチナ)を使っているので、曲線的なデザインが可能。
メンズ1デザインに対し、レディースが2デザイン用意されているのが特徴。
Pt900やK18(18金)を使ったモデルで、金とプラチナを組み合わせたコンビデザインも。オープン価格なので、安い物は御徒町などでペアで5万円程度で購入可能。リーズナブルなのでマリッジではなくペアリングとしても。
高純度のパラジウム(Pd990)を使ったビッカース硬度Hv200のリング。1つ3万円~4万円程度と低価格。
プラチナよりも比重が軽いので指輪に慣れていない人にもおすすめ。
パイロットの結婚指輪の購入方法
直接パイロットに注文するのではなく、取扱店を通して申し込む必要があります。
他のブライダルリングブランドと違って、直営店が無いからです。
こういったところは、指輪ブランドというよりは指輪メーカーといった感じがしますね。
ネット通販は一部ブランドのみ
低価格帯のTrue Love(トゥルーラブ)は、Yahoo!ショッピングや楽天などに出品しているショップもあり、格安で入手可能です。Tous Les Deux(トゥレドゥ)、ily(アイリー)などは定価。
その他の通常価格帯のブランドについては、パイロットの公式サイトやブランドのページなどでも、オンライン通販はありません。
セミオーダーのPtau(ピトー)は、公式サイトでデザインのシミュレーションができますが、そのまま注文することはできません。
シミュレーションした注文書をプリンターで印刷するなどして、Ptauの特約店へと持ち込む必要があります。
もちろんネットでシミュレーションしなくても、お店でセミオーダーできます。
取扱店舗を探して予約しよう
マイナビやゼクシィで来店予約をするときは、ブランド名でサイト内を検索しましょう。
または、パイロットの公式サイトから取扱店をチェックして、そのお店がマイナビやゼクシィに掲載されているか確認しましょう。
PILOT BRIDAL(パイロットブライダル)はマイナビにブランドとして掲載されているので、そちらで取扱店舗を探すこともできます。
おすすめの取り扱い店舗
代表的なマリッジリングブランドは取り扱いがあります。ブライダルクラブに入会すると割引きがあります。
ほとんどのパイロットのジュエリーブランドを扱う他、ビックカメラのポイントも付くのでお得です。
購入した方の口コミ
似合う指輪の形が彼は太め、私は細めとわかれてしまい、別々のものを組み合わせました。
私はシンプルに一粒小さなダイヤが埋め込まれているもので、彼は太めのラインが入っているものにしました。
人とかぶらない、でもある程度知名度のあるものが良いなと思いつつも、授かり婚で急な出費になるので手頃なものを探していました。
かといって特にこだわりのブランドもなく悩んでいると、宝石店で勤めていた母がこのブランドを教えてくれたのです。
私は万年筆といえばパイロットというくらいパイロットが好きでしたが、まさか指輪も作っているとは知らず、パンフレットを見てみるとシンプルなデザインばかりで即決しました。
今1年経っていますが、私は付けっ放しなので小傷はついていますが、ダイヤもしっかりついており、かなり頑丈だと思います。
お値段的にも手頃ですし、また10年後、20年後と記念にパイロットで買い換えてもいいねと夫と話しています。
大丸 大阪梅田店 11F宝飾サロン
ハーフエタニティにしようと決めてから様々なブランドを下見しましたが、どれも予算オーバーで諦めかけていました。
卸業者が安いと聞いて訪れたところ、こちらのブランドに出会いました。
予算内だったうえ、好みの細いデザインでウルトラハードプラチナだったので即決でした。
私が購入した店では、内側に誕生石を入れるサービスが無料だったのでそちらもお願いしました。
卸なので値引きもあり、ペアで16万くらいでした。
私たちは注文してから6週間ほどかかったので、余裕をもってお願いした方が良いと思います。
満足のいく結婚指輪に出会えてとても良かったです。
ダイヤモンド&ジュエリーWATANABE 梅田 阪急17番街店
総評
指輪選びに興味の無かった男性の目がキラリと輝くブランドですね。
そして高級ブランドのように莫大な広告費をかけているわけでもないので、お値段がかなりリーズナブルなのも特徴です。