実験室や工場で製造される人工ダイヤモンド。
アメリカの他、中国、インド、シンガポール、ロシアなどで生産されています。
いろいろな呼び方がありますが、日本ジュエリー協会では「合成ダイヤモンド」と呼称することを推奨しています。
ですが「合成」とは複数のものを合わせるという意味なので、1種類の元素(炭素)のみで構成されたダイヤの呼び方としては不自然です。
アメリカで浸透している「laboratory-grown diamond(実験室で成長したダイヤ)」にならって、日本でもラボグロウンダイヤモンドと表記するブランドが多いです。
ラボグロウンダイヤモンドの価格
ブランドによりますが、天然ダイヤにくらべ30~60%程度安く値付けされています。
およそ半額程度と思っておけばいいでしょう。
単純にコストダウンすることもできますし、予算を下げずにより大きなカラット数のダイヤを選ぶこともできます。
婚約指輪の価格比較
人工ダイヤを使った婚約指輪を扱うブランドは少ないです。
ブランドやグレードによりますが、シンプルな一粒ダイヤ(ソリティア)のプラチナリングで比べた場合、だいたい次のようなイメージが相場になります。
- ラボグロウン:10万円程度
- 天然のダイヤ:30万円程度
- ラボグロウン:20万円程度
- 天然のダイヤ:50万円程度
株式会社今与によるブランド「SHINCA(シンカ)」は0.5カラットのプラチナリングが13万円程度と驚きの低価格となっています。
これはラボグロウンダイヤモンドの価格を天然ダイヤの3分の1に設定しているためです。
実店舗のあるブランド
Pure Diamond(ピュアダイヤモンド)

Pure Diamond
2016年に設立された合成ダイヤ専門の輸入商社で、天然ダイヤを扱う株式会社APの別会社です。
この会社が「ラボグロウンダイヤモンド」の商標登録をしていますが、独占せずに他社に解放。
一般社団法人日本グロウンダイヤモンド協会(JGDA)を設立するなど、業界の正しい成長を目指しています。
株式会社APが運営する「AFRICA DIAMONDS」の直営2店舗、六本木ヒルズ店と東武池袋店で取り扱っています。
ピンクやブルーのファンシーカラーも。
香港の会社が運営するネットショップでルース(裸石)を販売していましたが、現在は終了。
SHINCA(シンカ)

SHINCA
150年の歴史を持つ株式会社今与(いまよ)による、日本で初めての合成ダイヤブランド。
今与は、ICHAROI(イサロイ)などのブランドを扱う京都の企業です。
2018年10月1日に、IMAYO京都御池店とオンラインショップで販売開始。
結婚指輪や婚約指輪はもちろん、ネックレスやピアスなどのジュエリーも豊富です。
おそらく一番商品の種類が多いブランドでしょう。
カラーレス(無色)の0.2カラット以上のダイヤは鑑定書の有無が選べます。
カラーダイヤは0.3カラット以上に鑑定書がつきます。
婚約指輪としても十分な存在感を持つリングが数多くラインナップされています。
1カラットのエンゲージリングが30万円以下で購入できます。
TERRA1012(テラ)

TERRA1012
老舗ジュエリーメーカーの桑山のグループ企業「株式会社K.C.D」によるブランド。
表参道に実店舗があります。(2019年11月オープン)
ブライダルリングが充実していて、婚約指輪は0.3カラットが10万円程度、0.5カラットが20万円程度。
0.2カラット以上の人工ダイヤには鑑定書がつきます。
マテリアル(素材)もプラチナ950、K18(18金)としっかりとしたものを使用。
指輪の他には、ネックレス、ピアス、ブレスレットがあります。
オンラインショップもありますが、ブライダルリングは基本的に表参道店での取り扱いとなります。
ANZ KOBE(アンズ コウベ)

ANZ KOBE
神戸元町に2019年7月にオープンした完全予約制の専門店。
基本的には好みのラボグロウンダイヤモンドを選んで、結婚指輪、婚約指輪、ネックレスなどに加工してもらうシステムです。
ネットショップは準備中。
H&D(エイチアンドデイ)

H&D
ファッションブランド「ハピネス&デイ」によるオリジナルブランド。
財布やジュエリーを扱うH&Dの中の商品として、人工ダイヤを使ったジュエリーを取り扱っています。
0.3カラットのピアス、0.5カラットのネックレス、1カラットのハーフエタニティリング、といったアイテムがあります。
サイトで購入することもできますし、在庫のある店舗をチェックすることもできます。
ブランドショップハピネスは全国のイオンモールに出店しているので、直接見たい人は在庫のあるお近くの店舗へ。
SJX W(エスジェイエックス ダブリュー)

SJX W
スタージュエリーによるメンズ・ユニセックスジュエリーブランド「SJX」から生まれたコンセプトストア。
日本の大手ジュエリーブランドとしては一番乗りといって良いでしょう。
高感度な大人の女性向けで、ラグジュアリーとサステナビリティがテーマ。
指輪はありませんが、ピアス、ネックレス、ブレスレットなどがあります。
2020年6月に横浜駅西口にオープンした「ニュウマン横浜」の5階。
ネットでも購入可能です。
ネット販売が中心のブランド
PRIORITY DIAMOND(プライオリティダイヤモンド)

PRIORITY DIAMOND
株式会社APによるラボグロウンダイヤモンドジュエリー専門のブランド。
最初に紹介したピュアダイヤモンドが輸入したダイヤを使ったブランドだと思われます。
婚約指輪はリングデザインとダイヤモンドを選んでオーダーできます。
いろんなシェイプ(形)のダイヤがあり、WEBサイト上で検索して選べますがサイズは0.8~3カラット程度とかなり大粒。
一部のダイヤは3Dデータ化されたデジタルレポートがあり、まるで手元にあるかのように360度回転させて見ることができます。
メインのダイヤにはDIAMOND FOUNDRYのラボグロウンダイヤモンドを使用。
ルース(裸石)のみを購入することもできますし、デザイナーにイメージを伝えて完全にオリジナルのジュエリーを作ってもらうこともできます。
老舗ジュエラー天賞堂とコラボした「Tensi」コレクションも購入可能。
YON(ヨン)

YON
山城葉子、hideyaの2人のクリエイティブディレクターによるラボグロウンダイヤモンドのみを使ったジュエリーブランド。
2020年9月に東京と神戸で初の展示会を行い商品をお披露目しました。
クリスマスのスペシャルコンテンツとして、中山美穂、片岡千之助をアンバサダーに起用。
銀座三越や新宿伊勢丹などに期間限定のポップアップストアを出店。
少し変わったデザインの指輪、ネックレス、ブレスレット、ピアス、イヤーカフ。
絶滅危惧種をモチーフにしたミニコインのNature Coinコレクションなど。
PRMAL(プライマル)

PRMAL
オンラインのみで販売する、実店舗を持たないブランド。
中間業者も排除することで価格を抑え、よりジュエリーを身近なものに。
例えば0.3カラットのベゼルダイヤモンドリングが7万円+税から。
ピンクダイヤモンドを使ったアイテムもあります。
多くのアイテムがK18(18金)だけでなくK10(10金)も選べるので、日常のファッションに取り入れやすい。
使用するダイヤはColor:G以上、Clarity:VS2以上、Cut:GOOD以上。
PASSION DIAMOND(パッションダイヤモンド)

PASSION DIAMOND
株式会社D.Techによる合成ダイヤモンドジュエリーブランド。
大粒のネックレスを中心にラインアップ。すべての商品に鑑定書がつきます。
2019年9月に楽天市場へ出店し、ネット通販を中心に販売。
楽天市場以外にも、Amazon、テレビショッピング(QVC)、クラウドファンディング(Makuake)などで販売。
高価格帯の「PASSION DIAMOND Premium」と、低価格帯の「PASSION DIAMOND Light」があり、Lightの方はアクセサリーショップMUK(エムユーケー)でも購入可能です。
Sustaina(サスティナ)

Sustaina
ウエディングドレスのレンタル会社「ブライダリウム ミュー」によるブランド。
ウェディング業界ではありますが、ジュエリー以外の業界からの参入です。
日本で初めてブライダルジュエリーとして人工ダイヤを扱い始めました。
2020年12月28日に店舗での営業を終了しましたが、オンラインショップでの販売を継続。
2021年3月21日現在では、メレダイヤのみの取り扱いとなっています。
在庫が無くなり次第終了となるのか、今後も継続していくのかは不明。

人工ダイヤモンドがどう作られるかなど詳細はこちらをご覧ください。
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