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どう違う?モアサナイトとダイヤモンドの特徴を比較

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隕石のイメージ画像

モアサナイトは隕石から発見された鉱石です

モアサナイトはダイヤモンドによく似た鉱石です。
人工的に作られた合成ジュエリーとして日本でも注目されています。

管理人
見た目がよく似ているモアサナイト、合成ダイヤモンド、キュービックジルコニアの特徴を比較してみました。

モアサナイト(モアッサナイト)とは

環境に優しいエシカルジュエリーとしても人気が出てきています。

模造ダイヤと呼ばれることもありますが全く別の鉱石で、部分的にはダイヤよりも優れた面を持っています。

隕石から発見されたモアサナイト

実は地球上でモアサナイトが自然に産出されることはまずありません。
天然モアサナイトは天然ダイヤモンドよりもずっと稀少なのです。

名前の由来は1906年ノーベル化学賞を受賞したフランスの化学者アンリ・モアッサンです。
1893年にアメリカのアリゾナ州の隕石の破片から新しい鉱物(炭化ケイ素)をアンリ・モアッサンが発見。
1905年に発見者の名前にちなみ、モアサナイト(Moissanite)と名づけられたのです。

バリンジャー・クレーター

モアサナイトが発見されたバリンジャー・クレーター ©local-mountain

100年以上経ってから宝石へ

炭化ケイ素は研磨剤や半導体の材料として作られるようになりましたが、不純物を多く含むため黒く、宝石には使えませんでした。

1990年には不純物が少なく半透明の結晶が作られるようになり、1998年にアメリカのチャールズ&コルバード社が炭化ケイ素を宝石に加工する特許を取得して販売を開始しました。

それまでダイヤモンドの代替品として流通していた合成宝石としてはキュービックジルコニアが独占状態でしたが、モアサナイトが選択肢に加わったのです。

2015年にチャールズ&コルバード社のアメリカでの特許の有効期限を迎えたのを皮切りに、特許の切れた他の国でも作られるようになってきています。アメリカはもちろん、中国、インドなどが産地として有名です。

2022年には日本でも株式会社Brillarが京都大学と共同で、色の付いた炭化ケイ素を宝石として使えるように無色透明化する方法の特許を取得しています。

モアサナイトの製造方法

モアサナイトの作り方としては、昇華再結晶法(改良レーリー法)が一般的です。
ドライアイスのように固体が液体を経由せずに直接気体になること、またその逆を「昇華」と言います。
炭化珪素の粉末を高温に加熱すると気体になるので、それを種となる結晶に再結晶化させて成長させます。

料理のときに沸騰している鍋の蓋の内側に水滴が付きますよね。
液体と固体の違いはありますが、イメージとしてはこの原理によく似ています。

管理人
モアッサナイトやモアッサン石などとも呼ばれます。

ダイヤモンド、キュービックジルコニアとの比較

ダイヤによく似た合成石の、合成ダイヤモンド、モアサナイト、キュービックジルコニアのいろいろな数値などを表にしました。
合成ダイヤと天然ダイヤは同じ物質なので、各数値も同じです。

合成ダイヤモンド、モアサナイト、キュービックジルコニアの比較表

モース硬度(傷のつきにくさ)

ひっかき傷のつきにくさを表すのがモース硬度です。
石同士で擦り合わせたときに、傷ついた方の石が柔らかい(モース硬度が低い)という考え方で定められたものです。

標準鉱物のモース硬度は、ダイヤモンドが10で最も硬いとされています。
モアサナイトはそれに次ぐ9.25~9.5で、ダイヤ以外の鉱石では傷は付きません。

靭性(割れにくさ)に至っては、ダイヤモンド以上です。

屈折率(内部反射による白い輝き)

プールに入ると足が短く見えますよね。これは光の屈折によるものです。
宝石と空気の境目でも屈折がおこります。屈折率が高いほど石の中で光が反射します。
この反射による白い輝きの強さをブリリアンシーと呼び、最も輝くように考えて石を研磨した形がラウンドブリリアンカットというわけです。

ダイヤモンドの屈折率は2.42で、よく知られる宝石の中では圧倒的に高い屈折率を誇ります。
キュービックジルコニアの2.15も十分に高いのですが、なんとモアサナイトはダイヤモンド以上の屈折率(2.65~2.69)があります。

分散度(虹色の輝き)

三角形のガラス(プリズム)を通った白い光が、虹色に分かれて見えるのを理科の教科書などで見たことがあると思います。
分散度が高いほど色がより別れて色鮮やかに輝いて見えるというわけです。

宝石業界では「ファイア」と呼び、カットによってもファイアの出方が変わります。
アメリカではファイアの強く出るカットのダイヤが好まれているようです。

なんとモアサナイトの分散度はダイヤモンドのおよそ2.4倍。
ダイヤモンドの2倍、2.4倍、2.5倍の輝きなどと言われるのはこの分散度のこと。

比重(水と比べたときの重さ)

「水の重さとの比較」が比重です。
比重が1より少なければ水に浮いて、1より多ければ水に沈むというわけです。
モアサナイトはダイヤより少しだけ軽く、キュービックジルコニアはダイヤの1.5倍ほどの重さがあります。
ただ、身に着けたときに違いが分かる人はいないでしょう。

カラットを「大きさ」の指標だと思っている人もいるかもしれませんが、カラットは「重さ」の指標です。
1カラット(0.2グラム)の3種類の宝石を並べた場合、比重の大きいキュービックジルコニアが一番小さく、比重の小さいモアサナイトが一番大きくなります。
ただそれだとサイズ感が分かりにくいので、ダイヤモンドの場合の大きさとして表示されていることが多いです。

熱伝導率(熱の伝わりやすさ)

熱伝導率が高いというのは、熱しやすく冷めやすいということです。
息を吹きかけて曇りがすぐに消えればダイヤモンド、しばらく曇ったままならキュービックジルコニアという簡易的な判別方法がありますが、これは熱伝導率の違いを利用したものです。

熱伝導率で判別を行う判定器がありますが、これでは熱伝導率の近いダイヤとモアサナイトを判別することはできません。
モアサナイトを機械で判別するには、電気伝導率も測定できるタイプの判定器が必要です。

親油性(油のなじみやすさ)

ダイヤモンドには親油性といって油がなじみやすいという特性があります。
そのため皮脂やハンドクリームなどが付着し、曇って輝きが失われてしまいます。
お店で洗浄してもらったり、中性洗剤で汚れを落としたりすれば元通りになります。

モアサナイトやキュービックジルコニアは親油性が低いので、クリーニングの頻度が少なくて済みます。

管理人
これといった欠点もなく、メンテナンスが楽という意味でも日常使いに向いたジュエリーです。

ダイヤモンドとの違いの見分け方

熱伝導率のみで判別するダイヤモンドチェッカーでは判別できません。
正確に判別するには、より高度な分析が可能な判定器が必要になります。

輝き方の比較動画

ニューヨークの宝石店が、ほぼ同じ大きさのダイヤモンドとモアサナイトを比べている動画がわかりやすいので紹介します。

右側のモアサナイトの方がカラフルにキラキラと輝いているのが分かります。

実は肉眼でもダブリングによって判別可能

プロはキュービックジルコニアよりもモアサナイトの方が見分けるのが簡単といいます。
それはダブリングという現象によるものです。

モアサナイトは複屈折といって、光が2方向に分かれて屈折します。石を通して反対側のカットの線を見ると、角度によって2重にダブって見えるのです。
ダイヤモンドは単屈折なので、2重に見えることはありません。

素人はルーペで確認しない限りダブリングに気付くのは難しいでしょうし、指にはめている指輪を見てそれがダイヤではないとバレることはまずないでしょう。

管理人
モアサナイトはギラギラで安っぽいと言う人もいますが、単体でチープに感じることは無いでしょう。

モアサナイトに鑑定書はあるのか

0.15カラット以上のダイヤモンドには鑑定書(品質を評価したレポート)が付いてくるブランドが多いです。
鑑定機関の多くは、GIA(米国宝石学会)が定めた「ダイヤモンドの4C」を記載しているのが一般的で、日本の多くの鑑定機関もGIA基準を採用しています。

モアサナイトにはダイヤモンドのような国際的な評価基準がないため、評価方法が統一された鑑定書というものも存在しません。ブランドが独自にダイヤモンドの4Cを参考にランク付けしているケースはあります。

石の種類を記した鑑別書はあります

石を検査して種類を明らかにしたものが鑑別書です。
品質の優劣を記したものではなく、単純の石の種類が書かれたものです。
CGL(中央宝石研究所)など信頼できる鑑定機関が発行したものであれば、その石は間違い無くモアサナイトであるという証明になります。

Charles&Colvard社製を保証するギャランティカード

長い間モアサナイトの特許を持っていたチャールズ&コルバード社のモアサナイトには、自社製であることを証明するギャランティカードが付属しています。
カードには格付けも3段階(上からForever One、Forever Brilliant、Forever Classic)で表記されています。
長年製造してきた確かな技術を持つチャールズ&コルバード社で作られたということは、それだけで確かな品質を持っているという指標になります。

ブランドが独自に発行する品質保証書

仕入れたモアサナイトを独自に評価して、品質保証書(ギャランティカード)などを付けているブランドもあります。
信頼できるブランドであれば、その保証書に書いてある品質も信頼できるでしょう。

GRAやIGICの鑑定書は要注意

モアサナイトには国際的な評価基準はないと言いましたが、鑑定書付きで販売されているものがあります。
特にオークションサイトやフリマアプリなどに多く、鑑定機関は「GRA」や「IGIC」です。

どちらもGIA(米国宝石学会)の鑑定書そっくりなデザインですが、詳細は不明。評価の基準が、GIAの「ダイヤモンドの4C」とは違う可能性があります。
「GRA」と「IGIC」については、信頼できる鑑定機関だと判断できる情報は見つかりませんでした。

ネット購入はトラブルに気をつけましょう

ここからは一般論ですが、オークションサイトやフリマアプリなどは安く買えることもありますが、通常のお店から購入するより詐欺、偽物、粗悪品などのリスクが高いです。

モアサナイトをダイヤモンドと偽って販売していると思われる出品者もいます。
例えば、ダイヤモンドなのにモアサナイトの鑑定書(GRA)が付いているなどです。

またモアサナイトを買ったはずが、送られてきたのがキュービックジルコニアだったという話もあります。

少しでも怪しいと感じるサイトからは決して購入しないでください。

管理人
品質のしっかりしたモアサナイトが欲しいなら、実店舗を出しているブランドから買うことをおすすめします。

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