チタンという響きにかっこいいイメージを感じる人も多いでしょう。
軽くて丈夫なのでゴルフクラブ、メガネのフレーム、時計などに使われている素材です。
結婚指輪としても、金属アレルギーが気になる人や新しい物好きの人を中心に人気をあつめています。
ちなみに純チタンとは、一般的に純度99.4%以上のチタンのことを言います。
チタンリングの特徴・メリット
「軽い」「強い」「錆びない」というのがチタンの三大特徴です。
金や銀、プラチナなどと違って貴金属ではありません。
卑金属という一般的な金属でありながら、貴金属並みの耐食性を持っています。
重さはプラチナの4分の1
純チタンの比重は4.5。(1立法センチメートルで4.5g)
これはプラチナやゴールドのおよそ4分の1程度の重さしか無いということです。
これまで指輪をつけていなかった人でも、付けていることを忘れるくらいの軽さです。
金属アレルギーを起こさない
チタンは空気に触れると酸化皮膜を作ります。そのため、汗などで溶けることが無いのでアレルギーを起こす心配がほとんどありません。
こういった金属はバルブメタルといって、温泉や海水に浸かっても錆びたり変色したりすることはありません。
その特徴から、人工骨、人工関節、ペースメーカーの表面など医療用にも多く用いられています。
好きな色が選べる
チタン素材特有の発色で、グラデーションも可能
チタン自体は銀白色ですが、カラフルな虹色に着色可能です。
チタンやジルコニウムは、与える熱をコントロールすることで酸化皮膜の厚さを変えることができます。
被膜の厚さによってさまざまな色に仕上げることができ、グラデーションも作れます。
この発色は傷など摩耗によって色が少しずつ落ちますが、ジルコニウムの方がチタンよりも長持ちします。
発色の継続性を優先するならジルコニウムの指輪にした方がいいでしょう。
酸化皮膜は何度でもつけられるので、カラーチェンジすることも可能です。
マリッジリングは派手な色よりも落ち着いた銀色が良いという人も多いでしょう。
もちろん見た目はプラチナのように仕上げることも可能です。
結婚指輪としては格安
レアメタルですが、貴金属では無いためプラチナと比べると安価で手に入ります。
5,000円程度で手に入る純チタンの指輪もあります。
ただし加工が難しいため、セミオーダーやオーダーメイドのブライダルリングになるとそれほど安いものではありません。
結婚指輪としては5万円~10万円程度で売られています。
チタンの指輪のデメリット
性質は、とらえ方によってデメリットにもなります。
資産価値が無い
チタンは貴金属ではありません。
そのため宝石が入っていないチタンの指輪は、ジュエリーでは無くアクセサリーという分類になります。
ファッションリングとしてなら増えてきましたが、ブライダルリングとしてはまだまだ少ないです。
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プラチナやゴールドの指輪は質屋などで買い取ってもらえますが、チタンリングは難しいでしょう。
金属のリサイクルをしている会社でチタンを買い取っているところがありますが、1kgで150円程度です。
指輪の価格としては、素材の値段ではなく加工費が多くを占めていると思ってください。
安っぽく感じる人も
プラチナのずっしりとした存在感が好きな人にとっては、軽い指輪は安っぽく感じてしまうことも。
また、プラチナのマリッジリングが当たり前と思っている人からすると安物と思われてしまうかも知れません。
サイズ直しが難しい
チタンは大幅なサイズ変更が難しい素材です。
少しだけサイズアップすることは難しくないのですが、一度切断しなくてはならない大幅なサイズアップやサイズダウンには向いていません。
溶接するときの熱で酸化してしまうためです。
ただ、サイズ直しを可能としている工房もあるので、購入するときにどこまでサイズ直しができるのかしっかり確認しましょう。
硬くて切断できないから危険?
指輪が抜けなくなったときに、消防署などでリングカッターを使って切断してもらうことがあります。
「チタンの指輪は消防署でも切断できないから危険!」と書いているサイトもありますが、純チタンであれば切断可能です。
プラチナやゴールドの指輪よりも大変かもしれませんが、リングカッターで実際に切断してもらった人もいます。
ただし、純チタンではなく非常に硬いチタン合金もあります。
そういった素材の指輪だと、手動のリングカッターで切るのは難しいかも知れません。
穴開け、切断、彫刻、研磨などに使われるミニルーターなたタングステンでも切断可能
最も硬い指輪と言えばタングステンです。
タングステンはダイヤモンドに次ぐ硬さで、これは市販のリングカッターでは刃が立ちません。
それでもダイヤモンドカッターを付けたミニルーターなら切断可能です。
消防署によっては電動のカッターを用意しているところもあります。
タングステンの場合は、最悪ハンマーでたたき割るという方法もあります。
硬いけれど普通に傷は付きます
硬さは純プラチナと比較すると倍で、ハードプラチナ並みです。
いくら硬い金属といっても、傷が付かないわけではありません。
日常使いでも細かいキズが入って、白っぽくなってしまうこともあります。
チタン用の研磨クリームなどで磨いたり、購入したお店で再研磨してもらうことで輝きが戻ります。
日常のお手入れとしては、乾いた柔らかい布で拭けばOKです。
チタンのブライダルリングを扱うブランド
まだまだチタンリングの取り扱いブランドは多くありません。
Aroode(アローデ)。プラチナのような銀色のリングも
チタンやジルコニウムでセミオーダー・フルオーダーが可能です。
代官山のブランドですが、札幌のグラシス、京都の雅、熊本のビジュピコなどで取り扱いがあります。
表参道にあるジルコニウム、タンタル、チタンなどのレアメタルを扱うオーダーメイドジュエリー専門店。
アレルギーが気になる人のためにテストリングを貸して貰えます。
チタンリングのサイズ直しも可能です。
石川県の工房によるブランド。
銀座店などBIJOUPIKOの一部店舗で取り扱いがあります。
どうやら商品画像を見るに、他の一部のチタンリングブランドの指輪はここが作ってるっぽいです。
直営店は一店舗のみというブランドがほとんどです。
実物を見たかったら、さまざまなブランドを扱うセレクトショップをチェックしましょう。
最寄りのセレクトショップにチタンの指輪の取り扱いがあるか問い合わせるといいでしょう。
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ちなみに、tiffany(ティファニー)もチタンリングを出していますが、文字の入ったファッションリングです。
色もブラックですし、残念ながらマリッジリングにはあまり向きません。
本当にチタンじゃなきゃダメ?
これだけ書いておいてなんですが、金属アレルギーが確定していない人は結婚指輪をチタンにしなくてもいいかもしれません。
指がかぶれたり痒くなったりする理由が、金属アレルギー以外のことも多いです。
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また、金属アレルギーで多いのはニッケルやパラジウムなどです。
手持ちのアクセサリーの中でアレルギー反応がでないものはありませんか?
ファッションリングなどで炎症を起こしてしまう人でも、純度の高いプラチナリングではアレルギー反応が出ないこともあります。
アレルギーテストをして、プラチナにアレルギーがあるか確認してもいいでしょう。
素材の融通を利かせてくれるブランドもある
Pt900という純度90%のプラチナには、割り金としてパラジウムが10%混ぜられていることが多いです。
よりアレルギーになりにくいイリジウムやルテニウムといった金属との合金にしてくれるブランドもあります。
「TRECENTI(トレセンテ)」のPt950は、割り金にイリジウムとルテニウムが使われています。
また、「sora(ソラ)」や「K.UNO(ケイウノ)」は、割り金を自分で選ぶこともできます。
割り金が不安なら、プラチナ100%のPt1000で指輪を作ってもらうという方法もあります。
一度そういったブランドの店舗へ行って、相談に乗ってもらうといいでしょう。
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