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ホワイトゴールドの「ロジウムコーティング」とは?

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めっきの剥がれてきた指輪

安価なアクセサリーのコーティングはすぐに剥がれてしまうことも

シルバーアクセサリーやホワイトゴールドのジュエリーの説明で、「ロジウムコーティング」という言葉を見聞きしたことがあると思います。
「ロジウム加工」「プラチナ仕上げ」などと呼ばれることもあります。

ロジウムコーティングとは

ロジウムという金属によるメッキ加工、要するにロジウムめっきのことですね。
「めっき」とは、素材の表面に薄い金属の膜を張る技術です。
カタカナで書かれることも多いですが、鍍金(めっき)という日本語なので、本来はひらがな表記が正解です。

「メッキが剥げる」という言葉にあまり良い印象が無いので、ブライダルジュエリーなどでは「コーティング」という言葉を使っています。
プラチナコーティングやプラチナ仕上げなどと言っているブランドもありますが、これらはほとんどの場合プラチナを使っているわけではなく、ロジウムめっきのことです。

日本ジュエリー協会では、ロジウムめっき製品は「ロジウムめっき仕上げ」「ロジウムめっき加工」「ロジウムコーティング」と呼ぶことを推奨しています。
「ロジウム仕上げ」「白金族のめっき」「白金族仕上げ」などを不適切な表現、「プラチナめっき」を不当な表現としています。
ロジウムめっきを施したジュエリーには「RHP」の記号を付けるのが望ましいとしています。

安いシルバーアクセサリーなどに施された薄いロジウムメッキは、1ヶ月ほどで剥げてきてしまうこともあります。
マリッジリングなどの高価なジュエリーの場合は厚みがあるので、10年使っても剥げないことも。

めっきの方法

電気を流してめっき加工

めっきは、スプレーや刷毛などによる塗装とはまったく違います。
金属の溶けた液体に指輪を入れて電気を流すと、指輪の表面に金属の薄い膜ができるんです。
その手順を紹介します。

  1. 指輪を綺麗に磨く
  2. 専用の脱脂液に浸して電気を流し、手の脂などを除去
  3. よく水洗いする
  4. ロジウムめっき液に浸して電気を流す
  5. よく水洗いをして完成

ロジウムめっき液は、1リットルで3万円程度ととても高価です。
安価なシルバーアクセサリーなどでは、下地にニッケルなどでめっきをかけてから、その上にロジウムめっきをごく薄くかけている場合があります。
めっきをかけてしまえば、素材が何であるかは見た目では分かりません。

何のためにするの?

なぜ?

コーティングする理由は?

わざわざ手間と費用をかけてまでコーティングするのには、もちろん理由があります。

シルバーアクセサリーの場合

シルバーの場合は、黒ずんでしまうのを防止するためにコーティングされています。
銀はいろいろなものと反応して変色してしまいやすいため、変色しないロジウムで被ってしまおうということですね。
ただし、シルバーの反射率は実は金属中で最大です。ロジウムめっきが剥がれてしまっても、磨けば美しい輝きを保てます。

ホワイトゴールドの場合

ほとんどのホワイトゴールドのブライダルリングに使われています。
ゴールドはご存じのように黄金色の金属です。それを白くするために、パラジウムやニッケルなどの白い金属を混ぜているのです。
それでも真っ白にはならず、ほんのりと黄色いシャンパンのような色味のため、ロジウムめっきをかけて真っ白にしています。
ホワイトゴールドの指輪を長年使うとシャンパンゴールドになるというのは、このロジウムめっきが剥がれて元の色が露出するためです。

プラチナの場合

実は、プラチナにもロジウムめっきがかけられていることがあります。
プラチナの方がロジウムよりも色味が暗いので、ロジウムでコーティングすることでより美しく見せることができます。
特につや消し加工をするとより暗くなるので、めっきをかけて明るくすることがあります。
柔らかいプラチナを保護して、傷などへ対する強度を上げるためにも用いられます。
ただ最近では硬度を上げたハードプラチナを使った指輪も多く、ロジウムを使う必要はあまり無いと言っていいでしょう。

ロジウムの金属としての特徴

ロジウムとは

ロジウムは優秀な貴金属です

プラチナと同じ白金族元素と呼ばれる貴金属で、元素記号は「Rh」です。
貴金属の中で最も反射率が高く、プラチナよりも真っ白に見えます。
プラチナやゴールドなどの貴金属をも溶かす王水でもほとんど溶けません。汗などにも強く、金属アレルギーの心配はまずありません。
その白さと耐久性の高さから、装飾用のメッキ加工に多用されています。
とても硬くて耐食性も高いレアメタルですが、硬すぎるためロジウムで指輪を作るのはほぼ無理と言って良いでしょう。
曲げたり伸ばしたりできないためです。特注すればレーザーで切り抜いて作ってくれる工房もあります。

ロジウムめっきの注意点

お手入れは柔らかい布で

研磨剤のついたクロスで磨くのはNGです。めっき部分が削れて、コーティングが剥がれてしまいます。
眼鏡のレンズ拭きやセーム革などの柔らかい布で優しく拭くくらいにとどめてください。

金属アレルギーにも気を付けよう

ロジウム自体はアレルギーを起こしにくいのですが、めっきの下地にニッケルが使われることがあります。
ニッケルは最も金属アレルギーを引き起こしやすい金属で、「ニッケルフリー」がアレルギー対応と同じ意味で使われるくらいです。
ロジウムが剥がれてニッケルが露出したときに、金属アレルギーの症状が出ることがあります。
再メッキ処理をしてもらえば元通りの輝きを取り戻せます。
ブライダルリングなどの高価なジュエリーでは、下地にニッケルが使われることは少ないですが、シルバーアクセサリーなどでは注意しましょう。

再メッキできない宝石がある

ダイヤモンド、サファイア、ルビーなどの宝石にはめっきがかからずダメージもないので、そのまま再めっきすることができます。
ただし、真珠、珊瑚、エメラルド、ベリドット、トルコ石、オパール、琥珀、ヒスイなどは付けたままの再めっきには向きません。
結婚指輪の裏石などで宝石を入れる場合は、再めっきが可能かどうかもちゃんと確認しておきましょう。

メッキ無しのホワイトゴールドもある

めっきありなしの色味

ホワイトゴールドのロジウムめっきありなしイメージ画像

18Kホワイトゴールドは、ゴールド75%の他に白い金属を25%混ぜて作ります。
混ぜる金属のことを割金と言うのですが、ホワイトゴールドの割金にはパラジウムやニッケルなどが使われます。
近年ではパラジウムを25%混ぜたものが主流です。

パラジウム割りのホワイトゴールドは、真っ白ではなくシャンパンゴールド色となります。
黄金色のゴールドを75%も入れるので、どうしても少し黄色が残ってしまうんです。
これにロジウムめっきをかけて真っ白にするのですが、元のシャンパンゴールドを好む人もいて、メッキ無しの指輪を選択する人もいます。

ケイウノでは、メッキなしの「ナチュラルホワイトゴールド」とロジウムコーティングされた「ホワイトゴールド」の2種類から選ぶことができます。

俄のホワイトゴールド「プラチナゴールド(750PtG)」はノンめっきです。割金にプラチナを10%混ぜることで、素材自体を通常よりも白っぽくしています。

ホワイトゴールドを購入するときに確認すること

  • ホワイトゴールドの割金は何か?
  • めっきの下地にニッケルを使っていないか?
  • 再メッキは可能か、有料かどうか?

以上の3点についてしっかりと確認しましょう。
ウェブサイトやカタログにはまず載っていないので、販売員の方に直接質問するようにしましょう。

毎日身に付けているマリッジリングでは、いつかはコーティングが剥がれてしまうものと思ってください。
お風呂に入るときや炊事のときなどには外した方が長持ちします。
それが嫌なら、メッキなしのホワイトゴールドにするか、プラチナなどのリングを選択したほうがいいでしょう。

管理人
普段は付けないなら、メッキ剥がれをそこまで気にする必要もありません。
たまにしか身に付けない婚約指輪だけをホワイトゴールドにするというのも賢い選択肢だと思います。

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