結婚指輪の素材として、日本で一番人気が高いのがプラチナです。
英語だとplatinumなので、たまにプラチナムという表記も見かけます。
学術用語が白金(はっきん)なので、ホワイトゴールドと混同されやすいですが別ものです。
プラチナが一番人気の理由
プラチナ・ギルド・インターナショナル調べによると、82%以上の人がプラチナをブライダルリングの素材(マテリアル)に選んでいます。(結婚指輪・婚約指輪を持つ600人に対する調査)
プラチナを選ぶ人が多いから
日本人は多くの人が選ぶ定番のものを選択しがちです。
逆説的な言い方になりますが、プラチナを購入する人が多いという事実が、プラチナ人気をより確固たるものにしています。
結婚指輪は男性もつけるため、スーツにも似合う派手すぎないプラチナのクールな輝きが無難というのもあります。
シンプルで直線的なデザインもよく似合いますよね。
花嫁といえば純白のイメージがあるから
花嫁と言えば、純白のウェディングドレスですよね。
プラチナも同じく、真っ白い金属なので、花嫁のイメージにぴったりです。
ホワイトゴールドも白いですが、金にニッケルやパラジウムなどの白い金属を混ぜて作られた白です。
プラチナは、金属そのものが真っ白なので、白い輝きが永遠に保たれるという特徴があります。永遠の愛の象徴というわけですね。
希少性が高いから
金も希少性が高い金属ですが、プラチナの年間供給量はさらに少なく、金の20分の1です。
より貴重な金属ということで、結婚指輪の特別なイメージに相応しいと感じる人が多いです。
価値を表す表現としても、ゴールドよりもプラチナの方が上ですよね。
クレジットカードでも、ゴールドカードよりプラチナカードの方がグレードが上です。
ところが、2018年現在ではプラチナの価格が金を下回っています。(2018年8月16日の価格で、金は1キロ454万3千円。プラチナは1キロ304万円。)
ですが、結婚指輪はゴールドよりもプラチナの方が高額です。これは、同じ量だとプラチナの方が重いことや、プラチナの指輪の方が純度が高いことなどが理由です。
金属としてのプラチナの特徴
プラチナの元素記号はptです。金よりも比重が大きく、手に取るとずっしりとした重量感があります。
融点も1768℃と高く、非常に安定した物質で耐酸化性・耐食性に優れています。王水(酸化力が非常に強い液体)以外にとけることはありません。
漂白剤や汗などで変色することがないので安心です。
お風呂や温泉も大丈夫
シルバーリングは温泉につけると真っ黒に変色してしまいますが、プラチナリングは基本的にそのまま温泉に入っても問題ありません。
普通はありませんが、割り金に銅やシルバーが使われている場合は温泉のときは外した方がいいでしょう。
ただし、トパーズ、オパール、真珠など温泉に弱い宝石がついている場合はNGです。
ダイヤモンド、ルビー、サファイアは温泉OKです。
念のため、指輪を選ぶときに、温泉に入っても大丈夫か確認しておきましょう。
金属アレルギーの心配は少ない
皮膚がかぶれてしまうのが金属アレルギーです。汗などで溶け出した金属イオンが、皮膚に付着することでおこります。
プラチナはほとんど汗に溶け出すことが無いので、アレルギーを起こしにくい金属です。ただし、パラジウムという金属が混ぜられた指輪の場合は、このパラジウムがアレルギーの原因となることがあります。
アレルギーが心配な人は、パラジウムではなく、よりアレルギーになりにくいイリジウムとの合金にした方が良いでしょう。
普段のお手入れについて
普段のお手入れは、から拭きで十分です。眼鏡拭きなどの柔らかい布で優しく拭きましょう。
汚れが気になる場合は、コップにぬるま湯を入れて中性洗剤を数滴垂らして、指輪をしばらく浸してください。汚れがふやけたら、真水で洗い流して拭きましょう。
たまに購入したショップや別の支店へ持ち込んで、無料クリーニングをしてもらうといいでしょう。
だいたいのブランドでは、アフターサービスとして店頭での超音波洗浄をしてもらえます。
ダイヤモンド、ルビー、サファイア以外のジュエリーは、水に弱いことがあるのでお店に相談してください。
プラチナ磨き用のクロスも市販されています。
研磨剤が入っているので磨くと浅い傷が消えてピカピカになりますが、これは表面を削っているのであまりおすすめしません。
ジュエリーとして使われる純度
日本ジュエリー協会において「プラチナジュエリー」と呼ぶことができるのは純度が85%以上と決められています。
85%のプラチナのことをPt850、95%のプラチナのことをPt950と表記します。指輪の内側にも刻印されています。
Pt750やPt585などの純度を抑えたアクセサリーも流通していますが、ブライダルリングとしてはやはり純度が高い方が好まれます。
ですが、プラチナは意外と柔らかい金属です。
そのため基本的には純度の高い方が柔らかく、傷が付きやすくなってしまいます。
ピカピカだった指輪に細かいキズがつくと、くすんだようになってしまいます。
それを味と考えることもできますし、定期的に磨きなおして輝きを取り戻すのもいいでしょう。
割り金といって、混ぜる金属によって硬さが大きく変わります。
純度が高くても、ルテニウムという金属を少し混ぜて、傷の付きにくいハードプラチナにしているブランドもあります。