結婚指輪の素材と言えば、プラチナとゴールドがほとんど。
パラジウムのブライダルリングを扱うブランドはごく少数に限られます。
その特徴やメリット、デメリットなどを紹介します。
この記事の内容は過去のものとしてご覧ください。(2021年11月追記)
パラジウムの特徴
パラジウムは、プラチナと同じ白金族元素という貴金属で、元素記号は「Pd」です。
性質も見た目もプラチナとよく似て、腐食や変色に強いという特徴があります。
ただ、加工の難しさなどからパラジウムがメインの指輪はあまり作られていません。
柔らかいプラチナを硬くするために、プラチナジュエリーに割金としてよく使われています。
結婚指輪の素材として一般的な「Pt950」というのは、プラチナ95%という意味ですが、残りの5%にパラジウムが使われることが多いです。
ホワイトゴールドにも使われるなど、割金としてはジュエリーでよく用いられています。
身近なところでは、虫歯治療に使われる銀歯(金銀パラジウム合金)にも含まれています。
排気ガスを浄化する触媒として、自動車の排ガス浄化装置にも利用されています。
未だ実現しない夢のエネルギー技術「常温核融合」の実験にも用いられ、小説や漫画などの世界では動力源として登場することも。
(フルメタル・パニック!のパラジウムリアクター、アイアンマンのアークリアクターなど)
とにかく、工業製品の生産にかかせないレアメタルのひとつです。
自動車触媒の需要が高まり、2017年9月28日に、プラチナの価格を上回りました。
これはあくまでもグラム当たりの価格なので、指輪にしたときは比重の軽いパラジウムの方が安価になります。
結婚指輪としてのメリット
軽い
パラジウムの比重は12.0です。
つまり、1立方センチメートルで12gの重さということです。
プラチナの比重が約21.4なので、比較するとおよそ半分程度の重さと考えていいでしょう。
プラチナリングのずっしりとした重みが良いという人もいれば、指輪のボリュームによっては重さが気になるという場合もあります。
パラジウムの指輪なら、ボリュームのあるデザインでも付け心地が軽やかです。
硬い
パラジウムは、プラチナを硬くするために混ぜられます。
つまり、プラチナよりも硬いんです。
硬さの尺度のひとつに、ビッカース硬度というものがあります。
Pd950(パラジウム95%)のビッカース硬度は130で、Pt950(プラチナ95%)のビッカース硬度60を大きく上回ります。
普通のプラチナジュエリーに比べ、傷が付きにくいということです。
安い
2017年10月現在は、プラチナリングのおよそ半額ほどで販売しているブランドが多いです。
プラチナリングがペアで20万円だとしたら、ペアで10万円というところです。
婚約指輪の枠をパラジウムにすれば、その分をダイヤモンドに回すこともできますね。
結婚指輪としてのデメリット
マイナー
少しずつ人気が出てきたというものの、まだまだ扱うブランドは少ない状況です。
マイナビウエディングには、いろんなブランドの結婚指輪がたくさん登録されていて、まとめて検索することができます。
2018年8月27日現在、プラチナの結婚指輪の登録数は2911ですが、パラジウムの結婚指輪の登録数はなんと70しかありません。
金属アレルギー
実は、パラジウムには金属アレルギーの心配もあります。
銀歯にも使われているため、銀歯を入れていることによってパラジウムのアレルギーが発症する可能性もあります。
ただ、多くのプラチナジュエリーやゴールドの割金にも使われているため、パラジウムを避けるためには指輪選びに特別注意をしなくてはなりません。
本当にパラジウムアレルギーの人は、イリジウムなど別の金属で割られている指輪を選びましょう。
サイズ直しが難しい
パラジウムの指輪があまり出回っていないのは、そもそも加工が難しいという理由もあります。
購入するときは、サイズ直しなどが可能かどうかしっかり確認したほうがいいでしょう。
パラジウムの結婚指輪を購入した方の声
購入理由や使い心地などを、実際にパラジウムのマリッジをお持ちの方に聞いてみました。
せっかくなら付け心地のいいものを買おうということになり、パラジウムの指輪を買いました。
プラチナよりも値段が安くて、お金のない私たちには非常にありがたかったです。悪いところは、夏場汗をかくとすこしかゆくなってきてしまうことです。
迷っていたところ、友人からパラジウムと言う素材について聞きました。早速パラジウムを扱っているお店へ見に行くと、私が希望していたダイヤを何石か取り入れたものもあったため、その場で購入を決めてしまいました。
プラチナではダイヤ付きの指輪は絶対に買えませんでしたが、パラジウムを選んだことで、ダイヤ付きの気に入ったデザインを選べました。1年はめていますが、今のところ悪いところは見当たりません。
指輪をしている部分がかゆくなるのは、金属アレルギーが原因とも限りません。
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結論
予算を抑えたいなら、ホワイトゴールドと並んで素材の候補になるでしょう。
ロジウムメッキがかけられているホワイトゴールドと違い、メッキが剥がれて色が変わるようなこともありません。
ただ、金属アレルギーを起こしやすい素材なので、一生身に付けるのは少し不安かもしれません。
いわゆるノーブランドなら、ペアで5万円以下のマリッジリングもあります。
詳しくは次のページをごらんください。
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