指輪の形を大きく2種類に分類すると、「甲丸リング」と「平打ちリング」に分けられます。
丸みを帯びた甲丸は昔ながらの結婚指輪のイメージ、角のある平打ちは力強い男性的なイメージです。
違いを理解して、自分の好みで選べばいいでしょう。
甲丸(こうまる)リングの特徴
指輪をばっさりと切断すると、断面は半円になります。
カマボコの形をしているので、昔の人は「かまぼこリング」と呼ぶことも。
昔から結婚指輪と言えばこの形でした。伝統的でスタンダードなデザインです。
1554年にイギリスのメアリー女王とスペインのフェリペ2世が結婚するときに、甲丸の指輪が使われたのが最初という説があります。
おそらくご両親が持っているような古い結婚指輪は、ダイヤの入っていない甲丸リングではないでしょうか。
シンプルで引っかかりのないデザインは、料理などをするときも邪魔になりにくいというメリットがあります。
婚約指輪のアームも甲丸のものが一般的です。
甲丸の種類
甲丸リングにはいくつものバリエーションがあります。
代表的なものを紹介します。
平甲丸(ひらこうまる)
表側が完全な局面ではなく、角だけが丸くなったリングです。
表面には緩やかな平面が残っています。
幅を広くできるので、模様が彫られたデザインのリングも多いです。
結婚指輪の一般的なデザインのひとつです。
逆甲丸(ぎゃくこうまる)
甲丸とは逆に、凹んでいるのが逆甲丸リングです。
糸巻きのような形状をしています。
シンプルでありながら、優雅で上品な雰囲気が漂います。
デザインの特性として両端に厚みがあるので、指当たりをよく確認しましょう。
内甲丸(うちこうまる)
付け心地を良くするために、肌に触れる内側がかまぼこ型になっているリングです。
外側がどうなっているかに関係なく加工できるので、平打ちリングで内甲丸仕上げなどもできます。
(関連:つけ心地の良い「内甲丸仕上げ」の結婚指輪ブランドまとめ)
両甲丸(りょうこうまる)
外側も内側も甲丸のリングのことで、断面は楕円形になります。
幅の細いリングで完全に丸いものは「丸」と呼ぶことも。
月型甲丸(つきがたこうまる)
手のひら側の幅が細く、手の甲側の幅が太くなっています。
結婚指輪ではあまり見られないデザインですが、ボリュームがありインパクトがあります。
いろいろとアレンジが考えられます。
平打ち(ひらうち)リングの特徴
断面が長方形の角張った指輪です。
とはいっても、普通は少し角を磨いています。
平面的でシャープな印象なので、男性に人気があります。
ゴツゴツした大きな手にも良く合います。
幅の広いデザインでもスッキリとした印象です。
指輪の厚さや手の形などによっては、指輪の角が中指や小指に当たって痛くなることがあります。
必ず試着して確認しましょう。
オーダーの場合は指に当たらない厚さに調整しましょう。
後から削ることもできるか確認しておくといいでしょう。
表面がフラットなので、メレダイヤモンドをぐるっと一周させるエタニティリングにも適しています。
幅を広くして彫刻など様々なデザインを施すことにも向いています。
比較的、金属を延ばしてつくる鍛造製法の指輪に多いデザインです。
(関連:鋳造と鍛造の違い「それぞれの製法のメリットとデメリット」)
平打ちリングでも、内側を削った内甲丸仕上げ(平打内甲丸)がおすすめです。
平面的なので、2つのリングを合わせると模様が合体するようなデザインも作りやすいです。
特にどちらのデザインだからサイズ直しが難しいといったことはありません。
夫婦で好みが違ったら
男性が平打ちリング、女性が甲丸リングと、別々のデザインにしてもいいんです。
男性と女性とでは手の形も大きさも違います。
似合う指輪の形が違うのは、当然のことです。
同じブランド内で別の指輪を選ぶ
だいたいのブランドでは、平打ちと甲丸、どちらのデザインもラインナップしています。
ブランドがそろっていれば別のデザインでもいいという人は多いです。
セミオーダーできるブランドで作る
マリッジリングをセミオーダーできるブランドなら、指輪の幅や表面の加工などを選ぶことができます。
同じシリーズの指輪でありながら、オーダーによってはかなり印象が変えられます。
セレクトショップで選ぶ
まったく別々のテイストの結婚指輪を選びたいなら、セレクトショップで購入するのがおすすめです。
セレクトショップとは、たくさんのブランドの指輪を扱うお店です。
別々のブランドでも、内側にお揃いの裏石や刻印を入れればペア感が出ます。